以前、息子との「七転び八起き」を巡るエピソードを紹介しましたが、その記事を改めて読み返しているうちに、「隣り合った数字が使われていることわざ・言い回し・慣用句」がどれぐらいあるのだろうかと、ふと興味が湧いてきました。
近ごろは「ふと興味が湧く」と、無意識のうちにネットを検索することが多くなっているのですが、このときはそれでは少し面白くないような気がして、自分で書き出してみることにしました。以下はそのとき書き出したものを、後からカテゴリー分けしてまとめたものです。
(リンクが設定してあるものは、関連記事があります。随時更新予定)
【一、二(、三)】
一石二鳥
一姫二太郎
一富士二鷹三茄子
【二、三】
二人三脚
二束三文
二転三転
二進も三進も
【三、四】
三寒四温
【四、五】
四捨五入
四の五の言う
【五、六】
五臓六腑
【六、七】
???????
【七、八】
七転八起(七転び八起き)
七転八倒
【八、九】
???????
【九、十】
???????
【番外:書き出したものの、後から見ると「隣り合った数字」になっていなかったもの】
一喜一憂
一期一会
一攫千金(跳びすぎ)
五分五分
八面六臂
九分九厘
十人十色
十中八九(微妙なところですが今回は番外扱い)
五十歩百歩
百発百中
自分で「隣り合った数字」と決めておきながら【番外】が一番多いのは少し情けない気もしますが、それ以上に悔しいのが該当する言葉が思い浮かばなかった【六、七】【八、九】【九、十】の3つ。
改めてこの3つにねらいを絞り、「ろく、ろく、ろく……」などと呟きながら何とかひねり出そうとするのですが、出てくるのは「六月七日」「八匹九匹」「九枚十枚」といった類のものばかりで、ことわざや慣用句はまったく思い浮かびません。
こういうときはしばらく考えるのを止めて、潜在意識に作業を委ねた方がいい。そう思って、2、3日放っておくことにしました。
で、今日が3日目なのですが、やはり駄目。
潜在意識に委ねたにも関わらず出てこないということは、潜在意識にインプットされていないということでしょう。
そして、曲がりなりにも53年間生きてきてインプットされていないということは、該当する表現が存在しないということかもしれません。
でも、本当にそうなのでしょうか。それを確かめるにはどうすればいい? そうだ、こういうときこそネットの出番だ。
ということで、さっそく検索してみたところ、予想に反して【六、七】【八、九】【九、十】に該当する表現が存在していることがわかりました。
【六、七】
六賊七害
六順七徳
【八、九】
八索九丘
八葉九尊
【九、十】
九分十分
九分十分以外の4つは初めて聞く(見る)言葉だったので、やはり潜在意識にもインプットされていなかったのでしょう。
最後の九分十分は「言われてみればそうだった」と思いましたが、これまで意識して使ったことはありません。そういう観点から最初に書き出したリストを改めて眺めてみると、どの表現も繰り返し使った覚えがあるものばかりです(特に一攫千金)。
ものを覚える時は単にインプットするだけでなく、アウトプットを意識したり、実際にアウトプットしたり(口でぶつぶつつぶやく、書いてみる)する方が記憶に残りやすいと言われますが、今回の結果をみても確かにその通りだと思われます。
そして、こういうことわざや慣用句というものは、誰かがアウトプットしたものを別の誰かがインプットとして受け取り、今度はその人がさらに別の人に向かってアウトプットする、ということが繰り返されることによって、長く伝えられてきたのでしょう。逆に言うと、アウトプットされる機会が減った言葉は、次第に忘れ去られていくということです。
今回「六賊七害」「六順七徳」「八索九丘」「八葉九尊」という 4つの言葉に出会ったのも何かのご縁でしょう。私がアウトプットしたからといって爆発的に知名度が高まることはないかもしれませんが、それでも誰かのインプットの機会にはなるに違いありません。
そう思って、この文章を公にすることにしました。